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大人と子供

 

 彼女が居ると何かと心配事が多い。自分に自信がない所為か浮気されるのではないかとヒヤヒヤしたり、なかなか連絡が取れないと事故にあったのではないかと思ったりする。多分…いや多分ではないが、世間一般で言われる“重い”人間なのだろう。

 

 実家に帰ったとき、実家のPCが重くて

「これじゃだめだ、重いわー。」

と言って仕方なく自分のノートPCを取り出していると料理をしていたはずの母が実家のPCを持ち上げ、

「そんなに重い??」

と言っていた。違う違う、そうじゃ、そうじゃない(©鈴木雅之)。PCの“重い”は動作が遅いとか応答性が悪いとかそう言う事だ。

 

 ここでの“重い”人間と言うのは、相手に依存してしまっているとか、嫉妬心が強いとかそんな事だと思う。別に僕は太っていない。最近お腹が出てきたのを気にしたりなんかしてない。

 

 いつもなるべく気を付けて心配しないようにしたり、相手を信じないといけないなとか思う様にしているのだけれど、その行動自体が既に“重い”と、書きながら思った。これはもう自分の性格で一生このままなのだろうか。彼女が居る以上永遠に心配し続け、それに疲れ、相手に不満を漏らして喧嘩になるか、一人になれば悩まなくていい!!とか迷走したりし続けるのだろうか。それじゃあ一生恋愛が成就しないし、結婚なんて夢のまた夢じゃないか!!

 

 彼女と別れて間もない日、Twitterで『ずっと子供のままでいたい』みたいなことが書いてある画像が流れてきた。詳しい事は忘れたが、『嫌いなあの子よりいつも少しだけ幸せでいたい。』と言う言葉は印象的で覚えている。そのとき僕は別れた彼女よりも幸せになりたいなと思った。そして僕もいつまでも子供でいたいと思った。その夜、TVでお坊さんが

「人間は誰しも一人なのだ。生まれてから死ぬまでずっと一人だ。」

と言っていた。確かに人間は一人だ。誰と一緒にいようとそれは一人ひとりの集合であって二人が一人になったりはしない。それじゃあ結婚なんて無意味なのか。かのアイン=シュタインは

「ある偶然の出来事を維持しようとする不幸な試みを結婚という。」

といっているし、結婚なんかしなくていいんだ。僕は一人でも何にも問題無いんだ。一人で別れたあの子よりも幸せになるんだ。やったぞ。

 

 …嫌だ!!そんなの嫌だ!!彼女欲しい!!病めるときも健やかなるときも二人手と手を取り合い助け合い歩んだりしたい!!二人で一人にはなれないかもしれないが二人で一組になりたい。危うくお坊さんとアインシュタインの言葉を勝手に湾曲解釈して結婚できない男になるところだった。

 

 でもこうも重くては、結婚できないのは目に見えている。きっともっと大人になるべきなんだ。いい加減大人になるべきなんじゃないか??と言う人生からのメッセージなんだ。多分。

 

 でも大人になることは子供であることをやめなければいけない。大人になると言う事は『嫌いなあの子よりいつも少しだけ幸せでいたい。』なんてわがままを言っちゃいけないんだ。僕にそんな事出来るだろうか。と言うかそもそもそんな生活は楽しいだろうか。やっぱり大人になんてなりたくない。でも大人になって彼女が欲しい。それなら、大人と子供の真ん中を歩けたら楽しいんじゃないか?いや、絶対楽しいと思う。

『またそんな我儘言って...現実見たら??』

と、別れたあの子は言うかもしれないけれど、そんな人になりたい。いつまでもそんな人になりたいと思い続けたい。

 

 自分だけ見えるものと 大勢で見る世界の どちらが嘘か選べばいい 君はどちらをゆく 僕は真ん中をゆく(©星野源)