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恋を抱きしめよう

 

 クリスマスが終わった。今年は生まれて一番クリスマスらしくないクリスマスだったかもしれない。そう、何故ならば今年は独り身だから。え??今年"も"って??うるせぇバーカ!!何はともあれ来年こそは巨乳の彼女とふわっふわなクリスマスを送ったりしたい。

 と、言ったものの人付き合いがいつまで経っても上手くいかない。末っ子だからか、調子に乗りすぎてしまって度が過ぎてしまうことが多い。そして何より口喧嘩が苦手だ。口喧嘩そのものが苦手と言うか、反射的に何かと理由を付けて相手を言い負かそうとしてしまう。恐ろしく末っ子根性である。その結果相手に嫌われることが多く、それが原因で女の子に振られたこともある。だから大切に思う人程、上手く自分の気持ちを伝えられなかったりしてフラストレーションが溜まったりする。

 

 今年はThe Beatlesの1がリマスターされて話題になった。勿論発売してすぐ買った。昔ビートルズ好きで集まったときに『無人島に1曲だけ持って行くなら』と言う話をして、その時に僕が選んだ「We Can Work It Out(※1)」も収録されている。

 

 ビートルズポール・マッカートニーがかつて女優のジェーン・アッシャーと付き合っていた頃、ジェーンが遠い地方の舞台でもポールを平気で置き去りにして遠征し、ポールが寂しかった。と言う話を聞いた事がある。この話がなんとなく他人事とは思えない。僕は別に女優と付き合った事がある訳ではないが、いつもいつも仕事やらサークルやら研究やらバイトやらで置き去りにされ、彼女を見送り、家でしょんぼりと彼女の帰りを待つ事が多い。僕は働いていない訳ではないし、学校にもきちんと通っているのだけれどそう言う事がとても多い。昔、彼女の仕事に合わせてアルバイトを増やしたことがる。寂しかったのか何だか今となってはよく分からないが同じ学校の友達の中でも一番働いているくらい働いた。結果とても忙しく、彼女とはすれ違って上手くいかなくなってしまった。彼女の為に貯めていたアルバイト代の使い道がなくなってヴィンテージのLevi'sを買ったりした。

 

 結局僕は彼女の帰りを家でしょんぼりと待っている方が良いし、そうするべきなんだと思った。そんな寂しい時に僕を励ましてくれたのがWe Can Work It Outだった。ポールがジェーンに訴えかける様に歌った歌詞が胸に響いた。

Try to see it my way,only time will tell if i am right or i am wrong.(※2)

彼女が急に仕事になって、ずっと楽しみにしていた旅行をキャンセルしなければならなくなった時、この歌詞を呪文の様に唱えながらもWe can work it outと自分に言い聞かせた。

 

 しかしやはりと言うべきか、ポールとジェーンの様に僕の恋愛は寂しい最期を迎えるばかりだった。初めて付き合った彼女に振られたのは大学2年生の時だった。その時は本当に辛く、沢山の人に支えてもらった。それから暫く経ち、色々あったが僕は未だリンダ・イーストマンと出会っていない。でもいつか彼女の帰りを家で待ってるときにしょんぼりとせず、穏やかな気持ちでI Will(※3)と思える日が来れば良いなと思っている。そして偶には意見が食い違って喧嘩をしてもWe can work it out!ってお互いに思うことが出来たら、それはとても素晴らしい事だと思う。

 

 

※1『We Can Work It Out』(僕らなら上手くいく)歌詞はポールが当時付き合っていたジェーンに向けたメッセージだと言われている。邦題は「恋を抱きしめよう」。

※2『Try to see it my way,only time will tell if i am right or i am wrong.』(僕の立場で考えてごらんよ、正しいかどうかなんて時間が経たないとわからないよ。)We Can Work It Outの歌詞。

※3『I Will』ポールがリンダ・イーストマン(後のリンダ・マッカートニー)に捧げた愛の歌と言われている。