他人と比べるとか(大ブーイングのメンヘラ大爆発だ。)

 

 病院の前で電話をしている男の子が居る。楽しそうに話しているけど腕には点滴の管が通され、顔もどことなくゲッソリしている。電話の相手は誰だろうか。家族がはたまた友人かそれとも恋人か。暫く楽しそうに話していた彼は電話を終えるとそそくさと病院の中へ消えていった。

 

 数年前の僕だ。

 

 胃腸炎か何か分からないが原因不明の頭痛と発熱と胃痛と腹痛で入院していた。誕生日も病院で迎えた。その頃は殆ど学校に行っていなかったから友達とは疎遠だったし、ましてや彼女なんか居なかった。電話の相手は誕生日を祝ってくれた姉だったのではないだろうか。病院の前で電話をしている点滴をつないだ少年。横には松葉杖をつきながら煙草を吸う老人。

 電話をしているときは楽しいのだけれど電話が終わってしまえば一人。部屋に戻ってイヤホンでTVを見るか携帯電話で音楽を聴くか。隣のおじさんは今日も鼾をかいて昼も夜も良く寝ている。最後に起きているのを見たのは入院した翌日だったのではないか。きっと煙草を吸っていた老人も部屋では一人だろう。相撲中継でも見ているのだろうか。病院は一人の塊だ。

 

 一人で何が悪い。そう強がってみるものの、やっぱり一人は寂しい。誰かと一緒に居たいし、誰かの楽しい話を聞いて笑ったり時には暗い話を聞いて一緒に悩みたい。でも寂しさばかり募ると変な関係が築かれてしまって後からややこしくなったりするからその辺の心の整理が難しい。

 

 国別男女平等ランキングで日本は101位だった。勿論男女平等を訴える人々は大ブーイングの不満大爆発だ。日本で男女平等と言えば女性の地位確立がメインだ。会社の話で限定して言えば昇進差別なんかが挙げられる。「女性を男性と同様に昇進させろ。」街はそんな声で溢れている。でもその一方で男性が家庭に入る事はあまりよしとされず、「あそこの旦那さんは働いていないらしいよ。」とか「彼女の方が稼ぎが多いらしい。ヒモだな。」なんて声も溢れている。全く逆の事なのに同じくらい溢れている。女性が社会進出するなら男性が家庭に入るのは自然な流れなのに皆それを拒む。

 そもそも国別ランキングなんか当てにならないのだ。だって国が違えば考えも違う。具体的に言えば、会社の雇用形態や働き方も違う。街の作りも違うし物価も違う。そんなのと比べったって仕方がないのに。他人と比べるとかじゃないのに。

 

 あの人は彼女が居る。あの人は彼氏が居る。あの人は浮気をしている。あの人はセフレが居る。あの人は女性経験がないらしい。あの人は男性経験がないらしい。

 あの人に比べて私は寂しい。あの人に比べて私は寂しくない。

 そうじゃない。きっと誰かと比べたって仕方がないのだ。だって他人とは考え方も違うし、育ってきた環境も違う。そりゃ好き嫌いは否めない(©山崎まさよし)。

 それでも寂しさは毎晩やって来る。布団に入ると近づいてきていつの間にか横で寝ている。今日も寂しさと一緒に寝る。誰かと比べるとかじゃないのだとか言いながらも同級生のカップルや街ですれ違ったカップルが頭をよぎる。

 心の整理は難しい。心の整理どころか部屋の整理、レジュメの整理、スケジュールの整理も難しい。整理だらけだ。きっと色々な整理をきちんと出来ればある程度の事が上手くいくし、社会にも家庭にもそんな人が溢れれば僕は嬉しい。そして僕の整理を手伝ってくれたらもっと嬉しい。